天鳳名人戦牌譜検討12-B

Ⓢ福地誠(+49.0) Ⓟ小林剛(+8.0) Ⓟ多井隆晴(-16.0) Ⓟ鈴木たろう(-41.0)
http://tenhou.net/0/?log=2011090323gm-0009-10011-e1e38e13
12B-1

10巡目。チーするのは当然として、
危険度約10%の5pを切ってリャンメン(良形)に受けるか、
危険度0%の4pを切ってシャンポン(愚形)に受けるか。
リャンメン:和了率42%, 放銃率22%, 被ツモ率18%, 流局率10%
シャンポン:和了率30%, 放銃率19%, 被ツモ率21%, 流局率16%
なので明らかにシャンポンの方が不利。
シャンポンに受けて危険牌引いたらベタオリするという戦略も考えられるが、
この場合アンパイがないためその戦略が取れない。
12B-2

12巡目。リャンメン先制なら満貫無ければ何でもリーチでOKだが
追っかけリャンメンの場合どう条件が変わるか。
まず危険度が0%の場合は、相手が子なら自分の手の得点期待値が1000点なら押してOK、
相手が親の場合は自分の手の得点期待値が2000点あれば追っかけてOK、
つまり相手が子であろうと親であろうと追っかけリーチしてOKとなる。
本画像は危険度が約3%で相手が子なので、
リーチしたときの平均打点が1300点あれば追っかけてOK。
よって本画像の場合は追っかけリーチが正解となる。
これが危険度10%の場合でも相手が子ならば
平均打点が2500点ほどで事足りるので何でもリーチで問題ない。
相手が親だと平均打点が4200点必要となるので
リーチのみ、リーチピンフのみだと期待値的に損になるが
それ以外ならすべて曲げで良い。
相手が子の場合だけの押し引きを覚えておき、
相手が親の場合はその1ハン増しという認識でOK。
12B-3

7mだと放銃率7.0%だが
西や1mだと放銃率4.0%なので
放銃しないことだけを考えるなら後者の方が優秀。
打点を考えると、
自分の平均打点は((12000+3900)/2)+1000=8950点、
リーチ者の平均打点は6400点(一発のみ8900点)。
6巡目愚形追っかけの和了率は35%, 放銃率は21%, 被ツモ率は24%, 流局率は6%。
これらを考慮して収支期待値を考えると、
7m切り:(8950*0.35-6400*0.21-3200*0.24+1400*0.06)*0.93-8900*0.07=+388。
西切り:(-6400*0.02-3200*0.38-1100*0.30)*0.96-8900*0.04=-1863。
よって7m切りで押したほうが圧倒的に期待値が高い。
一発だからといって弱気になって通りそうな牌を切り放銃するという場面をよく見るが
現物のような完全アンパイを多く持っていてかつ自分の打点が低いときぐらいでないと
テンパイからのオリは大抵損になる。